もう半年以上前のことですが、今でも覚えているシーンがあります。
仕事場の一つである某フィットネスクラブへ行くと休憩室に置いてあったボディビル雑誌を読んでいた同業者らしき人が
「うわ~気持ち悪~い」
と言いながらそこに載っているビルダーの写真を眺めていました。
私はその言葉にすごく違和感を感じました。
フィットネスクラブで働く人たちが売っているものとは何かと言うと
「健康」です。フィットネス業界は健康産業と呼ばれます。
では「健康」or「健康な状態」とは何か。
それは「体脂肪が少なめで筋肉質な身体の状態」です。
(他にも精神面とかたくさんあってすべてを挙げるのは大変ですが基本として)
フィットネスクラブに入会してくる人の多くが求めているのが
「体脂肪が少なめで筋肉質な身体の状態」です。
体脂肪計に乗ってもらい、計測をするとたいていの人は
脂肪量が多く、筋肉量が少ない と表示されるので我々は
「脂肪を減らして筋肉を増やしましょうね」とアドバイスをします。
ボディビルダー、それもトップ級のビルダーというのは
「体脂肪が少なめで筋肉質な身体の状態」を作るために自分の生活のほとんどをつぎ込んで、極限のところまでそれを追求していった人たちです。
野球で言えばプロの1軍選手やメジャーリーガー。
サッカーで言えばヨーロッパの名門クラブでレギュラーを張っているような超1流プレイヤーでしょう。
健康産業という業界で働く人が「健康」を突き詰めて行った人たちの身体を見て「気持ち悪~い」というのは
草野球をやっている人がダルビッシュを見て
「あの変化球はキレがありすぎて気持ち悪いね」とか
フットサルをしている人が
「ネイマールとかメッシってサッカーウマ過ぎでキモいよね~。」
と言っているのと同じなんじゃないでしょうか?
野球やサッカー、その他のスポーツなら絶対にそんなセリフなんて出てこないのにボディビルになるとなんで「気持ち悪く」なるんでしょう?
全く理解できません。
「こちらのクラスは脂肪燃焼にとても効果的ですよ!」とか
「体幹を鍛えるとお腹が凹みますよ!」とか
言っている人たちがその日の夜に
「今日もお疲れ様です!みなさ~んお先にいただきます!」と言って
酒をかっくらってる写真を載せてきてみんなから「いいね!」と
言ってもらおうとしていることのほうがよほど
「気持悪~い」と思います。