スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

スーパーフードがブームで終わらず定着するための課題:値段が高いこと

昨日の続きです。

アサイーブームの終了とともにアサイー関連食品を販売していた企業も赤字に転落したというニュースから、アサイーなどの栄養価が非常に豊富な「スーパーフード」がブームではなく定着するためには、ということを考えていきます。

前回も似たようなこと書きましたが、芸能人が芸能界で活躍し続けていくことと非常に似ていると思います。一発屋とよく言われたりしますが、一発当てることだけでも難しいわけですから、アサイーという食べ物が「ブームになった」ということはそれだけで良いことです。我々の業界で有名なスーパーフードの「プロテイン」は今まで一度もブームになったことはありません。

プロテインは正確には加工食品なのでアサイーやキヌアのような天然食品ではありませんが。

 

まず、プロテインの現状も含めて

「スーパーフードの定着のための課題」を考えてみます。

まず、真っ先に挙げられるのは「価格」です。単純に値段が高いのです。栄養素というものは摂りたい時だけ摂ればいいというものではなく、日常的にバランスよく摂取することが必要です。実際には完璧な栄養バランスの食事を”毎回摂ること”ができるわけではないですから、人体は足りない栄養素を体内で補おうとしますが、その状態が長くづつくと、例えば「ビタミンB12欠乏症」といった深刻な状態になったりします。

キヌアという食べ物もできれば毎回の食事として米やパンのようにこまめに食べられればいいのですが、値段が高いです。定価よりもかなり安く売っているアマゾンでさえ、500gで1000円前後、1kgで2000円前後と少ない量に比べて値段が高額です。

 

赤字転落してしまった「フルッタフルッタ」という会社が扱うアサイーもわずか300gで約2500円もします。別の会社の製品ですが、アサイーをパウダー状にしたいわゆるサプリ形式の製品はなんと90gで3200円です。(アマゾンで)

手軽に飲めるジュースタイプのものでも1本の値段は200円を超えてしまうので余程健康意識が高く、なおかつお金に余裕のある人でないと「どんどん飲もう」という気には慣れないのではないかと思います。

 

そうなってしまうのは仕方がないことだとも言えます。アサイーはブラジル産の果物ですし、キヌアはコロンビアなどやはり南米が原産地です。一年中高温多湿な地域が産地だということは、多くの水分と太陽の光と熱を吸収して育った植物なわけですから、栄養がたっぷり詰まっているもの納得ですね。日本からするとちょうど地球の真裏にある国や地域からそういった食品をなるべく品質を落とすことなく日本に輸入してくるとなると、コストがかかるというのは簡単に想像できるでしょう。

 

日常的に摂取する必要があるくせに値段が高かった「プロテイン」ですが、こちらは現在、低価格化どんどん進行しています。このブログでも何度か取り上げています。

プロテインの場合は、南米の遠くの地域まで行って取ってくるということをしなくても乳製品などを加工することでできるわけですから、こちらは「今までが不当に高額だった」と言えるでしょう。

 

一部のマニア層が対象であればいいのですが、一般的な食品として定着するためには「価格をさげること」は絶対に必要なことだと言えます。