スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

スーパーフードが定着するための課題:なじみのない名前

前回に続けてアサイーやキヌア、チアシードといった高栄養価食品が日本で定着するためには、ということを考えていきます。前回は値段、つまり「高すぎるからもっと安くする方がいい」ということを指摘しました。

 

つづいて課題として考えられるのが「名前」です。「アサイー」「キヌア」「チアシード」など、日本人からすると「全くなじみがない名前の食品」は一般の人たちはなかなか手が伸びないのではないかと考えられます。

体脂肪を蓄積させないように食事をしようと気を使っているボディメイク系のトレーナーや我々フィットネストレーナーはキヌアなど栄養価が非常に高く、血糖値を急上昇させない要素が詰まった食品に対して非常に敏感なので、「そんな食べ物があるぞ!」と話を聞けばすぐに飛びつきます。わけのわからない名前でもどんなものか調べて成分などを積極的に理解しようと努めます。

 

前回も例に題していますが、「プロテイン」というものがまさに「そんな食べ物」なのです。筋肉をつけるためだけでなく、単純に健康食品として「高たんぱくで低脂肪で低GI」さらに「値段も安くて手軽に摂取できる」という夢のような食品はどこかにないだろうかと探していくと、「プロテイン」を水に溶かして飲むのが、最も効率的で最も経済的なのです。ですからトレーニング実践者やアスリートやボディビルダーはプロテインを積極的に活用するわけです。

 

そんな夢のような食品であるプロテインですが、一般の人々には「筋肉増強剤の一つ」という印象がまだまだあるように感じますし、「飲み方やタイミングを間違うと脂肪に変わってしまう」という間違った知識が根付いてしまっている人も本当に多いように思います。

プロテインを摂りすぎると脂肪に変わる」というのは「英語の勉強をし過ぎると母国語を話すのが苦手になる恐れがある」というようなものです。それ自体に間違いはないのですが、「そんな状態の人が世の中に何人のだろうか?」というレベルです。

なぜそうなってしまうかというと、単純に「プロテイン」という名前の響きがもたらすイメージが「飲んだら即ムキムキ!」という印象を与えてしまっているのだと思います。ただ単に「安くてお得なお値段です」と言えばいいのを「リーズナブルな価格」などとあえて横文字化させて、オシャレな感じに印象をよくさせようとするパターンもありますが、プロテインの場合は完全にその逆で「ステロイド」と似たような、使ってはいけない薬物のような印象、またはよくわかないサプリメントの一つといったイメージがあるのでしょう。

 

アサイー、キヌア、チアシードなどもその「独特の名前」から一般の人たちからは敬遠されているということは十分考えられます。

独特の名前を「日本人に親しみやすい名前」「馴染みやすい名前」に変えてしまえば少なくとも何もしないよりは変化があるのではないかと思います。

一般的なところで行われているのが、魚です。ファストフード店やチェーン店の定食屋で「フィレオフィッシュ」や「白身魚のフライ」などという料理で使われてるのは「ナイルパーチ」というアフリカに生息する淡水魚です。

ナイルパーチフライ」とか「ナイルパーチ定食」なんて名前にしたらそりゃあ売れないでしょう。

スーパーの鮮魚コーナーでよく見る「銀むつ」という魚もいかにも日本の魚のような印象の名前ですが、実は「メロ」や「メルルーサ」という名前の魚です。

 

「DHCプロテインダイエット」という名前でプロテインを大ヒットさせている会社もありますが、プロテインなどと言わずに「良質無脂肪たんぱく質パウダー」とでも言い換えて「お子さんを太らせたくないとお考えのママさんへ」とターゲットを絞ってみるのも良いのではないでしょうか?

 

アサイー、キヌア、チアシードを日本人が親しみやすい名前に変えることが定着のカギだと思います。