スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

筋肉を増やすための「ストレス発散」について

前回、前々回の続きです。

 

筋力強化・筋量の増加のためには「ストレス耐性を付けること」が直接的に必要なことですが、その為には「溜まったストレス」を発散させる必要があります。ストレスを掛け続けたマウスには、最悪の場合は癌などような病気やその他の悪影響が必ずと言っていいほど出現しますが、人間や人体もまさに同様です。

 

あらゆるストレスに耐えることは良いですが、ひたすら耐え続けていると必ずどこかで身体を壊します。ストレスに耐えたら、その後に溜まったストレスを発散させないと人は強く鍛えられていきません。筋肉の発達も同様です。

 

筋肉の発達、筋量増加のためのストレスとは筋トレなわけですが、ストレスの発散にあたるのは栄養素の摂取、もっと細かく言えば「タンパク質の摂取」ということになります。

「筋トレしたらプロテインを飲む」と一言で言ってしまえばそこまでです。文字で書けば非常に簡単ですが、それがキチンとできているかどうか、は別です。この点が意外にできていない人が一般的なフィットネスクラブでは非常に多く見られます。

 

まず基本は、量の問題 です。単純にタンパク質摂取量が少ないのです。

トレーニング実践者の間では改めてこんなこと書くか?と思われるくらいの基本ですが、人が1日に必要なタンパク質摂取量とは「体重×1.0gほど」と言われています。つまり自分の体重をそのままグラム表記に直して考えればいいわけですが、そうなると女性であれば40~50gくらい、男性であれば60g~80gくらいになるかと思います。

この量のタンパク質を単純に3度の食事から摂取するとなると、かなり意図的に肉・魚・卵・大豆などを選んで食べるようにしないと、とてもじゃないけど量が足りません。

筋肉を鍛えて、量を増やしたり、筋肉を太くしようと思ったら「体重×2.0g以上」のタンパク質を”1日に”、つまり「毎日」摂取しないといけなくなります。

赤みの牛肉で言えば約3kg~5kgの量を食べないといけない計算になります。

 

つまり、かなりの量を食べないといけないわけです。今まで書いてきた表現で書くなら「かなりの量のタンパク質を摂取しないと、筋肉にとってのストレス発散にならない」わけで、そうなれば筋発達に必要な「ストレス耐性」がついていかないというわけです。

 

続いては タイミングの問題 です。これは量に比べれば細かい話ではないと言えます。ビタミンやコラーゲンやその他のサプリメントは摂取のタイミングとういうのが結構重要なのですが、タンパク質の場合はそれに関しては少し緩めの感覚でも大丈夫でしょう。

「筋トレ後20分~30分以内にタンパク質を摂ると良い」という昔ながらの”言い伝え”がありますが、現在では「45分以内」だとか、「筋トレをしてから15~20分かけて身体をいったんリラックスさせてからの方が良い」と言われるようになりました。

つまり、筋トレ後にタンパク質を取った方が良いことは間違いないのですが、慌てて直後に摂取しなくとも、すこし落ち着いてからでも大丈夫だということです。

 

タイミングはともかく、量 です。適切な量が摂取できていなければストレス発散とは言えないということです。厳しい上司や監督・コーチなどにさんざん怒鳴られ、叱られ、厳しい指導をされたのに、そこから解放されても「コップ1/4杯のビール」しか飲めなかったら、それでは発散できませんよね?

それと同じようなイメージです。