スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

運動がなぜ認知症の予防になるのか

昨日の続きとして、「どういう理由で運動が認知症の予防になるのか」という点について考えていきます。直接的にどんな刺激やどんな脳内物質が脳に影響を与え、認知症の予防になるのかというのははっきりとはわかりませんが、考えられることというのははっきりしています。

 

基本的に、人は脳で考えたことを行動に反映させる ということをしないと、非常に脳に負担になり、ストレスになるということがあります。

何か腹が立つことがあったとします。その怒りに対して、それを解消するようなことを行動に移すというのは非常に簡単で、そうすればストレスはたまりません。

ですが、怒りをぐっとこらえる というのは非常に労力が必要な行為だということは多くの人が納得できることでしょう。サービス業の方々であれば「お客様」がどれだけ理不尽なことを要求したとしてもその気持ちを表情に出さずに「笑顔」をキープして対応することが必要ですが、こちらもエネルギーが居るものです。

 

難しく書いていますが、つまり

「ムカつくやつが居たらその場で殴る」

「腹が立ったらムカッとした表情をその場で作る」というような、

「感情と行動を合わせる」ということができればストレスは溜まらないということです。

ただし!! 

実社会でそんなことをしてしまえば「犯罪」になるわけで、絶対にそんなことをしてはいけません。

ですから、お酒を飲んで騒いだり、カラオケで歌ったり、というような「他の何か」でたまったストレス、鬱憤を晴らすことで気持ちをスッキリさせるわけです。

 

この様に、頭の中で考えたことを何らかの形で表現する(アウトプットする)ということをしないと、脳が疲れてしまうのです。私はこの「脳の疲れ」、つまり仕事などで感じたストレスに対して脳が「こうやって解消したい!」と思うことができない(やってしまったら犯罪になり、それこそ人生終了)ということが積もり積もって脳がパンクしてしまう、というものが認知症ではないかと、考えています。

 

さて、改めて運動・身体を動かすこと・トレーニングなどを考えてみましょう。

これらの行為というのは、実は「感情と行動の一致」だということがわかるかと思います。人の身体というのはすべて「脳からの指令」で動いています。脳の指令を解さない動きを「反射」や「反応」などと言い、これらは無意識にやってしまうことなのですが、その他の人の身体の動きの元となっているのは「脳からの指令」です。

 

運動をするというのは、頭の中で「こう動け!」と脳がイメージし、動かしたい筋肉や関節へ向けて指令を出し、それに対してその命令通りに身体の部位が動く、という一連のサイクルに連続になってるのです。

 

ですから ジム(フィットネスクラブ)で運動をして1時間過ごす というのは、脳からの指令をすぐに行動に移す ということを1時間続けることになりますから、当然身体だけでなく頭(脳)もスッキリしてくるというのは理解しやすいかと思います。

 

頭の中でイメージしたことをすぐに「行動」としてアウトプットする。筋トレなんかはまさにこれですよね。「この重さのダンベルを持ち上げよう!」と頭で考えたことをすぐに実行するのが筋トレです。

 

運動や筋トレ、その他のエクササイズが「認知症の予防に有効」だとされているのはこういった理由があるのではないかと考えられます。