スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

関節をここまで動かせますか? 股関節編

昨日に続いて、関節の可動域について見ていきましょう。今度は股関節です。使用している画像はネットからの借りものですが、この図は「運動学」などの教科書に使われている基本的なものです。

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股関節というとどうしても「股間」が開くかどうかというイメージがあるかと思いますが、股関節の可動期というのは大腿部、つまり「膝から上の太ももの部分」の可動域ということを指しています。

股関節は「股間」にはありません。むしろお尻側に関節がついています。

 

前回同様、細かな専門用語は気にせず「参考図」の部分を見て動きの真似をしてみましょう。

上段の図は、股関節の前後の動きです。脚が(膝から上の部分が)どれだけ前に上がるか、そしてどれだけ後ろへ上げることができるか、ということです。

前方へ動かす動作を屈曲(くっきょく)と言い、後ろは伸展(しんてん)と言います。

伸展は15°とかなり可動域は狭いのですが、屈曲は125°です。つまり、

「水平以上の高さまでは膝頭はあがるものだ」ということです。

この図では仰向けに寝て図っていますが、やってみると面白いです。

90°以上の高さまで、膝頭はあがるのでしょうか?

 

中段の図は、脚の横上げに動作を示しています。外側へ上げることを外転(がいてん)、内側へ上げることを内転(ないてん)と呼びます。やってみるとわかりますが、まずこの動作自体が非常にやりにくい動きです。

普段の生活でこんな関節の動かし方をしないので、まさに関節の機能が低下していることが多い動きです。

この左右への脚上げの能力が低下すると、まず考えられるのが「バランス能力の低下」です。片足立ちの状態で立ち続けることが出来なくなります。

「なんだ、そんなことか」という程度の話ではなく、これができなければ「立ったまま靴や靴下を履くことができない」とか「靴を履くときにはしゃがまないとダメ」という状態になります。

 

下段は股関節の回転(専門用語では”回旋”と言います)を示しています。

太ももの部分が内側・外側にどれだけ回転するか、です。

比較的イメージしやすいのが外への回転(外旋)でしょう。これが十分な可動域を確保できないということは、「あぐら」の動作ができないということになります。

あぐらをかこうとしても膝がぴょこっと浮き上がってしまうという人は結構多くいます。

内側への回転は「ゴルフのスイング」での前方側、つまり「壁を作る側」の力に関与します。壁側の脚がしっかり内側に回転する能力があれば、文字通り「しっかりと壁を作ること」ができ、上半身の回転のし過ぎを止めて、力を上手くボールに伝えることができます。

 

この様に基本的な関節の動きを見直していくだけでも、かなりの参考になる部分があるのです。

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などということに飛びつく前に、自分の関節の動きの確認を行う方がずっとその人にとっての有益な情報になるのです。