スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

「追い詰められないとやらないタイプ」なんて「私はどうしようもない人だ」と言っているようなもの

「私って追い詰められないとやらないタイプなんです~。」

 

「私っておしりに火が付かないと動かないんです~。」

 

こんなような言葉をよく聞きます。

もう大昔(という表現でいいと思いますが)に流行った歌の歌詞に

「わかっちゃいるけどやめられない」というものがあります。

 

フィットネスやトレーニングに限ったことではないですが、ダイエットやボディメイク、血圧が下がるなどの体質改善というものを考えると、

それが上手くいくか、いつまでたっても変化がないか、という境目にあるのは、始めに書いた言葉の状態を如何に変えられるかということに尽きると思います。

 

「追い詰められらないとやらない」

「お尻に火が付かないとやらない」

これは本当に危険です。

その言葉の通りに考えるならば、年を重ねて筋力がどんどん下がり、関節がどんどん固くなり、そして自力で起き上がるのもつらくなったところでようやく、

「このままじゃダメだ!運動しよう!」

という気持ちになるということです。筋力や筋肉の量というのは年齢に関係なく増えていくことが科学的にもわかっていますので、運動を始めるのに「遅すぎることはない」のですが、なぜもっと早い段階で「このままじゃダメだ」と思えなかったのだろうかと思います。

 

厳しい言い方ですが、もう遅すぎる という人も実際に存在します。

年齢が70歳以上の高齢+体重80㎏前後のいわゆる体重過多(体脂肪過多)という状態になってしまうと

年齢による体力低下に、自分の体重の重さが加わり、身体を動かすこと自体がその人にとっての重労働になってしまうのです。

こうなると大変です。

朝起きて食事を作ったら、もう「疲れてやる気がしない」

少し休んで部屋の掃除をしたら「疲れて運動どころではない」

友達から電話がかかってきて話し込んでしまうと「もう気分的にぐったり」

そうやっているうちにあっという間に日が暮れて夜になり、もう1日終了です。

 

「追い詰められないとやらない」という人はいつまでたっても「やりません」。

その人にとっての「追い詰められた状況」が死ぬまで、もしくは死の直前までやってこないからです。なんてもったいないのでしょうか。

 

「わかっちゃいるけどやめられない」これもよく考えれば変な言葉です。

「わかっている」なら「やめられます」。やめられないとしたらそれは覚せい剤などの薬物依存状態と同じ、非常に危険な状態です。

 

太るとわかってるのに、ついつい職場に置かれているお菓子を食べてしまう。それによって痩せられない。とわかっているなら「お菓子を食べなければいいだけ」です。

とても簡単なことです。

 

わかっているなら、やめられます。

麻薬じゃないんですから。