スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

筋力を上げるなら意図的に「上げよう」とすること

筋トレという言葉は「筋力トレーニング」という言葉の略ですので、筋トレをすることは筋力が向上する、筋力アップするということになります。

 

ですが、この「筋力が上がる」ということについて、多くの人が誤解とも呼べるようなイメージを持っていると感じています。

 

そのイメージとは以下のようなものです。

例えば重さ20kgのバーベルを持ち上げると、10回連続で持ち上げると「キツイ」と感じるくらいの筋力があったとします。

その人が筋力を向上させようと20kgのバーベルの上げ下げを繰り返していきます。

この行為が「筋トレ」なわけですが、ここにポイントがあります。

 

トレーニング初心者が多く持つイメージとして、

自分にとって「やや重い」と感じる程度の重さを上下させることを繰り返していけば、「やがてその”やや重い”が”楽に挙げられる重さ”になる」というもの、つまり「だんだん重いものが軽いと感じるようになるだろう」というものです。

それ自体が完全な間違いというわけではないのですが、「筋力向上」というテーマに関しての回答としてはやや遠回りだということになります。

 

トレーナーの教科書と認定されるような専門書には例えば

「2for2ルール」(ツーフォールール)というような、「トレーニングで扱う重量を設定するための基準」「このくらいでできるならこの重さに設定しろ!」というものがあります。

そういった基準が設けられる背景にあるのが、人の身体は与えられる刺激に対する反応をするという、専門用語でいうところの「特異性の原則」というものです。

 

先ほどの20kgのバーベルの例で言えば、

20kgの重さを持ち上げれば、20kg以上のものが持ち上がる筋力がついてくる、

のではなく

20kgの重さを持ち上げられるだけの筋力、つまり「20kgまでのものがあつかえる筋力」が発達します。

20kgという重さばかり扱っていると、「この人の身体は20kgまでの重さを扱えれば十分なんだな」と身体が反応して、「そこまでの筋力をつけよう」と反応します。

厳しく言えば、20kg以上を挙上できない身体になるということであるのです。

 

筋力を上げようとするならば、自分の意志で「より重い重量を扱おう」と考え、実際に重さを上げてトレーニングしてみる必要があります。

 

繰り返していけば勝手に筋力があっていくということはまずありません。

良くも悪くも人の身体とは上手く作られているものです。