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フィットネスクラブで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

「欲しいもの」から「欲しい状態」へ

昨日は雑誌GQの腹筋美女特集について書きましたが、それが象徴するかのように、筋トレをすることの推奨する本や健康、栄養に関する本が本当にたくさん出版されているのを感じます。

 

面白いのが、そのほとんどが「ビジネス書」のコーナーにあることです。

出版社の戦略ということもあるのでしょうが、「仕事できる男は筋トレをする!」のように、「意識高い系の人たち」を煽るかのような筋トレ啓もう本のタイトルをよく目にします。

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この様に著者が、似たようなタイトルでほとんど同じ内容の文章を書いて儲けようとする安っぽい自己啓発本でも筋トレが取り上げられています。

(この作者は色々なテーマでこれまでにも様々な自己啓発本を書いていますので、筋トレもそのうちの一つに過ぎないことは確かですが)

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本屋のビジネス書コーナーでこういった表紙を絶対に目にするはずです。

 

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こちらは栄養に関するもの、いわば食事方法についてのものです。

最近ではここから睡眠法に関する本も目にするようになりました。

 

コンビニでも雑誌コーナーの中に↓のような筋トレマニュアルを目にします。

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こういった本がどんどん出版されるのですが、それに比例するようにフィットネスクラブに入会する人が増えているのかというとそんなことはないのでそれが謎であり、悔しくもあります。

 

f:id:blog_practice:20161111232825p:plain最近目にするのはこれですね。

なんと80万部も売れているそうです。

 

こういった筋トレや栄養に関する本がビジネス書として出版されることの背景には何が考えられるでしょうか?

単純に「出版社が手っ取り早く安く作ることができる内容だから」ということもあるでしょう。

しかし、それだけではなく、多くの人が健康や体脂肪の少ない身体、筋肉質な身体というものに興味を持ってそれらを「欲しい!」「手に入れたい」と願うようになってきているのではないかと感じます。

「物が売れない時代」だとか、「若者の〇〇離れ」などという言葉がよく聞かれるように(新聞記者が勝手に書いているだけだと思いますが)、「モノ」に対して多くの人が興味を示さず、状態や体験などを欲しがってきているのでしょう。

 

例えば「CDが売れない」と言われますが、アイドルグループのCDはよく売れています。それはCDにアイドルと握手できるチケットや人気投票の投票券がついているからですが、それなどまさに、CDよりもアイドルと触れ合える「体験」をみんなが重要視していることの証でしょう。

テレビ・冷蔵庫・洗濯機・車・PC・電話など、家電製品などはもう日本中の人がすべて持っていると言ってもいいくらいで、今更新機能付きの家電が出ても今持っているもので十分だという人が大半だと思います。

 

そうなると、今度は「モノではないもの」「物体ではないもの」、つまり「健康」「関節の柔らかさ」「筋肉質」などというような「自分の身体の状態」が欲しくなってくるのです。

・だらしなく太った身体が嫌だ

・もっとお腹を引き締めて腹筋が割れた姿を見せたい

・関節をやわらかくしてもっとゴルフ・テニスがうまく出来るようになりたい

・痩せて異性にもてたい

などというように、モノにお金をかけても対処できないもの=自分の状態をどうにか変えたいと思う人が増えてきているのだと思います。

 

いくら服やバッグや時計や香水などの身に着けるモノを値段の高いものにしたとしても、それらを身に着ける自分自身がだらしなく不健康に太っていては何の意味もない。

ゴルフクラブやラケット、ランニングシューズなどのスポーツ用にお金を掛けたとしても、すぐに息が上がってしまう体力の無さや、道具ばかり高級なくせにそれを使う側の者は体が硬くて上手く使えない。

これでは宝の持ち腐れです。

 

安い服でも様になるような身体の状態。

そこにこそお金をかけるべきだと思います。