スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

生産性の向上が難しい日本

前回に引き続き、投資セミナーを受講してのことを書いていきます。

講師の岸博幸氏の話では、今後の日本の経済状況を考えると、

「自分の身は自分で守る」ことが必要になってくる。そしてその為には「生産性の向上」が必要だということで、個人レベルでできることとして「スキルアップすること」を紹介していました。

そのスキルアップとして「投資の勉強」も非常に有効な手段であるということで、セミナー主催の証券会社が、「当社で口座を開きませんか?」という流れに持っていくわけです。

この流れは上手いな~と思いました。

 

「生産性の向上」とか「生産性を上げる」というのは捉え方によって色々な物事がそれに当てはまります。例えばスマホで考えた場合、スマホSNSやゲームばかりやることは、生産性は低いor生産性が無い と考えられますが、SNSで情報が効率よく入手できたり、ゲームでもして息抜きした方がその後の頭の回転が良くなる、などということであれば、無料でできるSNSアプリやゲームは「その人の生産性を向上させるもの」だと言えます。(実際はそんなことはなく、ほぼムダでしょうけども)

 

筋トレをしたり運動をするというもの、健康な体を作る&その良好な状態をキープするものと捉えれば、「生産性の向上」につながりますし、逆に仕事の時間や人付き合いの時間を削ってまでトレーニングに充てるということならば健康に良いはずのトレーニングなのに「その人の生産性を下げている」ということにもなります。

 

日本人というのは世界的に見てもサボらないし、時間通りにきっちりと仕事をこなす、勤勉で真面目な人種だそうですが、その割には「個人の生産性」というものは決して高くはないそうです。

私はその理由は、

長時間残業をしたり、積極的にサービス残業をするなど、何かをやり続けることや他者よりも多くの時間を費やすことに価値を見出いしでいる場合が多いためではないかと思います。

子供は「長い時間勉強机に向かっていたこと」で親から褒められるように、質よりも量に目が向けられるケースが多いからではないでしょうか?

 

自分の仕事は終わっていてすぐに帰って明日の疲れを溜めないうちに寝てしまうことが「生産的・効率的」であるのに、周囲の人がまだ残って働いている中で自分だけ帰ると「まるで自分だけ楽をしているように見られる」と感じてしまい、やることが無くても会社に残ってしまうという経験をした人も多いでしょう。

 

自分にとって何が(どんなことが)生産性を上げるかを考えることは今後の日本社会でのいわば必修課題だと思います。

 

日本人の生産性の低さを象徴するシーンにもそのセミナーで遭遇しました。

セミナーの後半(と言っても残り10分ほど)は質疑応答で岸氏と直接話ができる時間だったのですが、「質問はありませんか?」という問いに、真っ先に手を挙げて60代と見られる男性がマイクを持ちました。

そして

「今日は貴重なお話をありがとうございました。私は〇〇で✖✖で◇◇でして・・・」と自分の話を始めたのです。残り10分というタイミングで他にも多くの人が直接話したいと思っている状況で、です。

 

自分の話を一通りした後

「それで先生にお聞きしたいのは〇〇はどうかというのが1点と、✖✖✖についてはどう思われるかというのが1点、あともう1点は・・・・」

と3問も質問を続けようとしました。

岸氏の方が気を使って「時間もあまりないので2点までにしましょう」と話し切って質問に答えました。

 

結局そこで多くの時間を使ってしまい、質問したのそのオジサン(おじいさんになりかけのオジサン)ともう一人のたったの二人でした。

 

民間企業や中小企業にはこのような他者のことを考えないオジサンたちが管理者という役職に就いているということを考えると、「そりゃ生産性が低いもの納得」と感じられた瞬間でした。