スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

働き方改革とフィットネス業界③

昨日の続きです。

 

会社にしがみつく施設管理者と、その下で働く従業員の離職率があがり、アルバイトスタッフ募集を掛けてもなかなか人が集まらない、となると、どんなことが起こると考えられるでしょうか?

 

一つ考えられるのは、フィットネスクラブの月会費など料金が値上げするということです。

今年の6月から、「はがき」の料金が62円に値上げされます。

その理由は、年々手紙やはがきを出す人が減っていること+人件費の上昇による収益の悪化、だそうです。つまり売り上げが上がらない、もうけが出ないからその分を値上げして末端のはがき購入者に負担をさせているということになります。

「まず人件費をどうにか削減しよう」とか、「利用者の方への負担を極力減らそう」という発想の結果が「10円の値上げ」に出ていれば良いのですが、やはり「中で働く人たちの生活」のためにはやむを得ないということだと思います。

 

この様に「人が集まらない」+「過去に雇用した人に対する賃金をたやすく下げられない」という要因が合わさると、その負担を受けるのはお客様になってしまうので、フィットネスクラブの会費というのは値上げすることになるでしょう。

 

同時に現時点でも起こっているのは「さらなる人件費カット」です。人件費を掛けなくても収益がある程度上がる仕組み、と言ってもいいかもしれません。それがいわゆる「24時間型の無人ジム」です。大型のフィットネスクラブの出店がもうほとんど見られない反面、最低限のスタッフだけ置いて(時間によっては無人状態)いる形態のジムは2020年までに300店舗まで増やすという計画も出ているようです。

この形態であれば、人件費はさらに安くできるのでその分、お客様が負担する会費も安く済みます。24時間型のジムの会費はどこもかなり低額です。スマホの方が高いでしょう。

 

この様に、人手不足・人口減少によってフィットネスクラブというものは「料金の高額な大型クラブ」と「小型の低価格ジム」の2つに業態は分かれていくのではないかと考えられます。

どちらにもそれぞれの良さがあるわけですが、ハコを作って儲けるという発想では通用しないことだけは確かです。