スポーツジムで働くトレーナーblog

フィットネスクラブでパーソナルトレーニングをしているトレーナーです。トレーニング関連の話、フィットネス業界の話、健康関連の情報・ニュースなどについて書いています。

「休みなら代わりの人を見つける」という仕組み

生活環境が変化しているため、気が付くとブログ更新が滞っています。本当に申し訳なく思います。

 

さて、タイムリーな内容ではないですが、

「高校生がコンビニのバイトを休んだら、その分の時給が差し引かれて給料が出された」というニュースがかなりの広がりを見せています。

ネットの記事程度ではなく、日経新聞の社会面でも扱われるほどです。

headlines.yahoo.co.jp

「保育園落ちた!」というブログも話題になり、今年も同様の声が多く上がっているそうですが、この時給カットの一件には色々な現代社会の問題が詰まっているように思えます。

 

コンビニ側の視点に立てば「人手不足」というものが挙げられるでしょう。フィットネスクラブでもバイトが集まらず、時給を上げている店舗もあるくらいですから、コンビニにはもっと人(バイト)が来ないのだと思います。

人が来なければ、「オーナーや店長クラスの人たちが現場に立たないといけない」という状況になり、店舗管理+現場での仕事と仕事量が激増するでしょう。

そんな中で、「すみません。今日体調が悪くて休ませてください」という電話が当日にかかってきたとしたら、「あ~、大丈夫だよゆっくり休んでね」などという余裕がある店舗が今の日本にどのくらいあるのかというと疑問ですね。

「このバイトスタッフが〇時~〇時まで入る」といういわゆる「シフト」はフィットネスクラブでも社員が非常に頭を使う仕事です。

なにしろ一人でも休んでしまったらそのシフトが崩れますし、逆にアルバイトスタッフは「いっぱい入って時給を稼ごう」と意気込んでシフトを開けても店舗側の都合でカットされることもあります。

 

そうしたことを避けるために作られた仕組みが「休むなら他の人を見つける」といういわゆる「代行」という仕組みです。

時給をカットされた高校生からすれば、「そんなこと言ったって体調が悪くなっていきなりほかの人に連絡してもすぐにOKだという人がいるわけがない」ということになるでしょうか。

 

この「代行」、休みを取る場合は自分の時間に働く他の人を見つけること、という仕組みはフィットネスクラブでも採用されている仕組みですが、法的な根拠は全くないそうです。つまり、「そのお店の中だけのルール」ということになります。

いつからか、誰が考えたのか、全く不明ですが、

いつの間にか一般的に広まってしまったこのルールの最大のメリットは、はやり「安定したスタッフの労働時間の確保」です。

 

こういった法律とは別の独自ルールというものが広まるという時点で、もう日本社会はアルバイトや非正規雇用の人たちが「なくてはならない存在」になっており、あらゆるサービス業というものがそうした人たちがいないと成り立たないものになってしまったという、いわば「バイト依存型」「非正規依存型」のビジネスモデルができているということでしょう。

欠勤による時給カットのニュースはそのモデルが2017年を境に崩れ出してきているということを表しているように思えます。

 

この「代行」という仕組みについて、明日にもう少し掘り下げていきます。